NO,20

ディープウェルの深さについて に関連して
投稿者:さか 投稿日:12月 1日(水)14時20分47秒

実際の井戸の水位低下量についてご質問させて頂きます。

■手法1のような状況のストレーナーの配置の場合

1)水位低下量は揚水ポンプの飲み口まで水位低下が可能なのか?
2)「根切り工事と地下水」のp337の図に記載のとおり、井戸損出(群井戸は除く)によりsまで水位低下が可能なのか?
3)エアーを吸ってしまい、ストレーナーの上端までしか水位低下は起こらないのか?

いづれになるのでしょうか? 

計測の実績等からどのような水位低下になっているのかご教授願います。
(当然ながら井戸の集水能力に比べ、ポンプの揚水能力に余裕がある場合を想定しております。)

Re:井戸の水位低下量について
投稿者:利光(管理人) 投稿日:12月 2日(木)18時42分18秒

とても難しいご質問のため、頭を悩ませました。
お役に立つかどうか解りませんが、以下に私見を述べます。
なお、井戸効率について、どなたかフォローして頂ければ助かります。

■水位低下量は揚水ポンプの飲み口まで水位低下が可能なのか?

水中ポンプ揚水能力がディープウェル集水能力より大きければ、ウェル内水位はポンプ底付近まで低下します。
しかし、ウェル外面水位がウェル内水位まで低下することはありません。(タマリ水の排水を除く)
ディープウェル工法はポンプ排水によって生じるウエル内外水頭差を利用して、ウエル内に地下水を流下させ、地下水位を低下させる工法です。
仮に、ウェル内外水位が等しくなったとすると、水頭差が消滅し、地下水のウェル内流入が無くなります。
このような現象は「止水性が完全に確保されたタマリ水排水」でなければ起こりません。

■「根切り工事と地下水」のp337の図に記載のとおり、井戸損失(群井戸は除く)によりsまで水位低下が可能なのか?

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【予備知識】
「根切り工事と地下水」p337では井戸効率(井戸損失、井戸干渉)について図をまじえて解説しています。
ご質問に関連する部分の要約は「原水位面(自然水位面)からフィルタ外面部低下水位面までの距離を(s)、原水位面からウェル
内水位面までの距離を(sw)とした場合、井戸効率は(s/sw)となり、井戸損失は( sw - s )となる」です。
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実施工において、井戸損失は発生します。
ただし、損失量などは、地盤の透水性、ウェル口径、ストレーナ開口の形状や開口率、フィルタ材の粒径や粒度分布などの様々な要因に影響されものと考えます。
定量的に把握するのであれば現場揚水試験(多孔試験)を行わなければなりません。


■エアーを吸ってしまい、ストレーナーの上端までしか水位低下は起こらないのか?
いづれになるのでしょうか? 

「エアーを吸う」のはウェル内に流下してくる地下水量に水中ポンプ排水能力が勝っているからです。(くどいようですが大事なことです)
「エアーを吸う状態」とは「これ以上、水位低下が望めない状態」を意味します。
ストレーナの配置位置にもよりますが、「エアーを吸った場合にストレーナ上端まで水位が低下する」とは限りません。
ストレーナ上端より低いことも考えられます。

(補足事項)ストレーナの配置位置
不圧滞水層において、ストレーナ区間を有効ストレーナ部にのみ配置した場合、上記のような、疑問が生じるかもしれません。
通常は自然水位以深にストレーナを配置しますので、ストレーナ上端は自然水位の位置となり、上記のような疑問は生じないものと思われます。
これは地盤の透水性の不均一性に対応するためです。


■計測の実績等からどのような水位低下になっているのかご教授願います。

とても難しいご質問です。
私の経験談を述べますので、参考にしてください。
お役に立てると良いのですが・・・・。

1.現場揚水試験(多孔試験)の結果
定常状態における水位低下曲線を作成し、揚水井戸外面水位を推定すると井戸内水位よりも高い位置となります。
当然のことですが、透水性の良好な地盤の場合です。

2.ウェル内観察の結果
<透水性の大きい地盤>
地下水がストレーナからウェル中心に向かって噴水のように噴き出し、ウェル底に向かって滝のように落下します。
地下水が噴出する深度にウェル外面水位があるかどうかは未確認です。

<透水性の小さい地盤>
上記のような地下水の著しい噴き出しはありません。
地下水はフィルタ層を鉛直方向に浸透流下し、井戸底付近で井戸内に流入ているようです。
ウェル外面水位は未確認です。

■井戸の重ね合わせ法による水位低下の分布の算出、浸透流解析等で支配的で重要な条件になりますので...

井戸効率は、前記のとおり地盤の透水性、ウェル仕様、フィルタ材仕様などの要因に影響されるものと考えます。
ご指摘のとおり「重要な条件」となりますので、運用にあたっては現場揚水試験による検証が必要と考えます。
なお、現場揚水試験結果に基づく「井戸の重ね合わせ法の適用」が有効であることは実施工において確認しております。


Re:Re:井戸の水位低下量について
投稿者:さか 投稿日:12月 3日(金)09時26分24秒

早速&ご丁寧なご返答ありがとうございました。
井戸直近の水位低下量については、未だよく分からない事が多いのですね~。
多孔式揚水試験で井戸の水位低下量を測定するのは、井戸の揚水能力を確認する為井戸内で測定することが多いようですが、水位低下量の予測や前述の井戸損出を把握するには、井戸直近でも測定する事は重要だと感じました。

もうちょっと 頭の整理をしてまた私見を述べさせて頂きたく思っております。
(当方机上の計算が多く、計測・観測等の実務が少なくて;;)
取り急ぎの御礼致します。